クリエイション日記
7月、沖縄へ

テキスト 飯名尚人
2014.7.30

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沖縄へ向かう。乗った山手線の空調が故障で蒸し暑い。車内放送で、窓を開けてくれ、と。電気系統の故障らしく、車内モニターが砂嵐。映像作家で美術家の山城知佳子さんからメール。「明明後日あたりは、台風直撃かも」とのこと。

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沖縄ロケ開始。晴天。台風来るのかしら?
名護のスナックでShinbowさんの沖縄音楽のライブ。前田さん、山城さん、笛田さん、川口さんと。いいライブだった。みんな気に入った様子。

山城さんが、撮影の段取り表を丁寧に作ってくれた!ありがたい。小道具リストとか。素晴らしい。

前田さんが交渉してくれた首里劇場で映画館のシーンを撮影。住宅地にあるポルノ映画館。前田さんが高校生の頃に通っていた(?)映画館らしく、そのこともあって撮影用に映画館を貸してくれることに。館長にも、その場で出演交渉。ワンシーン出演して頂いた。35ミリのポルノ映画、館長が映写機にフィルムをかけてくれた。埃を吸うだけ吸った真っ黒の扇風機が映写室でカタカタと回る。撮影中、何人かのお客さんが来たけど、今日は貸切で映画の撮影してる、と言うと残念そうに帰っていった近所のオジさんたち。この映画館、空調がほとんど効かないから、窓全開(というか、窓枠はあるけどガラスも扉もない)。ポルノ映画の音が外に漏れる。帰りに館長にレンタル代金を渡したら、館長が真顔で「多過ぎる」とお金を返してきた、決して多くない謝礼。トイレのシーンを撮影してたら「こんなトイレ見たら、もうここに来たくないって思うでしょ」と恥ずかしそうに笑ってた。

明日から猛烈な台風8号が来る!ということで、今日中に全部撮影しちゃわないとヤバい。水野さんから空港の撮影許可の件でメールきて、許可の日程を変更してくれた。さすが手早い。空港側からは断られたみたいだけど、水野さんがあの手この手で交渉。撮影許可が出た。

台風の前ってなんだか静か。空港での撮影が終わって、なんとか全シーン撮影完了。前田さんは嵐が強くなると帰れなくなるから帰宅。山城さん、笛田さん、川口さんとで、山羊料理の店「さかえ」に。注文した料理よりもサービスで出て来る料理の方が多い。23時40分くらいから急に風と雨が激しくなってきて、店もそろそろ閉めるって。お店のオバさんが、表の通りまでわざわざタクシー捕まえにいってくれて、タクシーでホテルまで。

台風直撃!!!過去最大級の台風らしい。瞬間風速75メートル。車も吹っ飛ぶ。明日はホテルでおとなしく休息。それはそれでちょっと嬉しい。

今日は台風なのでホテルで休息。川口さんと笛田さんを部屋に呼び出して、ナレーションの収録を済ます。外は救急車のサイレンがひっきりなしに鳴ってる。
朝になって通りに出ると、街路樹が折れて沢山倒れてる。

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東京に戻る。

「写真の会」会報75号に脚本が掲載。故・西井一夫氏も深く関わるこの会報誌に「熱風」の脚本が掲載されるというのは、なんとも光栄。

ルネちゃんに出演をお願いして、近くの公園で追加撮影。ルネちゃんは中学生。すごいいい感じ!イメージ通りだ。「双眼鏡の先にね、家族とか、友達とかが、お祭りしてたり、なんか事件に巻き込まれてたりとか、そういう風景を見てる。そういうイメージでやってみて」と伝えたら、ルネちゃんは遠い虚ろな目で演じてくれた。このシーンは、僕の草案ではグリフィスの映画「イントレランス」の中のリリアン・ギッシュ。女神が不寛容(イントレランス)に満ちた地上を見ている。そういうシーンなんだ!

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