今年のプログラム
プロジェクト名
“Kyoto A.I.R. Alliance Festival 2014”
JCDN国際ダンス・イン・レジデンス・エクスチェンジ・プロジェクトVOL.4
2014日本/米国-JP/U.S共同制作プログラム
“Kyoto A.I.R. Alliance Festival 2014”とは・・・
主に海外のアーティストによる滞在制作を伴う公演や展覧会を紹介するフェスティバル。京都に拠点のあるレジデンス 施設や団体の連携 を図ると同時に、一般市民に向けてアーティスト・イン・レジデンス事業の認知を高めることを目的とする。期間中、AIR関係のシンポジウムや ネットワーク会議を実施する。また、情報を集約し海外への発信力を高めると同時に、京都のアーティスト向けの海外のレジデン ス情報の提供も積極的に行っていく。
実施機関:2014年8月~9月
主催:京都芸術センター、京都文化芸術コアネットワーク
共催・連携(調整中):ジャパン・コンテンポラリー・ネットワーク(JCDN)、ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川、ヴィラ九条 山、山懐庵、寄す処、東山アーティスツ・プレイスメント・サービス、AIRネットワーク準備会
概 要
ジンバブエ出身でN.Y.を拠点に活動している振付家・ダンサーのNora Chipaumire(ノーラ・チッポムラ)を招聘し、2014年8月の1ヶ月間、京都芸術センターで下記の2つの作品の滞在作品制作&途中経過発表を行う。
■自身が振付・出演するソロ作品「父のような自画像」―portrait of myself as my father―
■飯名尚人作・演出作品「熱風」に、ノーラが振付・ダンスで参加する。日本の同時代の作家・表現者との共同制作。
プロジェクトの経緯・招聘アーティスト選出方法
JCDNの設立のヒントを得、長年に渡りパートナーシップの関係を持つ北米各地から60以上のプレゼンターから組織されるナショナル・パフォマンス・ネットワーク(以下、NPN)http://npnweb.org/ とJCDNが、日米間のアーティスト・イン・レジデンス事業を行うため2011年―2013年の3年間、互いの国を行き来し双方のダンス状況を理解した上で、どのようなレジデンス企画内容を実施すべきか、ミーティングと視察を重ねてきた。
日本側メンバー
■京都芸術センター:プログラム・ディレクター山本麻友美、萩原麗子(京都)
■2013年当時、福岡市文化芸術振興財団コーディネーターの横山恭子(福岡)
■札幌コンカリーニョ斎藤ちず
■JCDN佐東範一、水野立子
米国側メンバー
■NPN代表/ MK Wegman
■NPN Director of International Program/ Renata Petroni
■シカゴ現代美術館パフォーミング部門/Yolanda Cesta Cursach
■Legion Arts/F.John Herbert、
■U.S./Japan Cultural Trade Network/吉田恭子の5名のプレゼンターが、NPNの代表メンバー。
彼らから、日本で滞在制作を希望する米国の振付家をニューヨーク・シカゴ・オースティンの3都市から計25名の推薦を受ける。
2013年4月、日本メンバー横山、萩原、水野が米国3都市を訪れ、候補者25名全員からプレゼンを聞き、ミーティングを行った。多くの可能性のある中から、Nora Chipaumire(ノーラ・チッポムラ)を招聘アーティストとして決定した。(京都芸術センターは、Allison Orr/アリソン・オアーを選出)
この時の紀行文をNPNのWEB Newsletter(Jun 2013)に寄稿
http://npnweb.org/2013/06/25/e-newsletter-june-2013/#japan
日本語PDF
https://www.dropbox.com/s/emj0vnfrpqh8ttm/NPN%E3%80%80Newletter2013Jun.pdf
その後、2013年12月、米国ニューオリンズで開催されたNPN定例会に参加し、JCDNとNPNの3年間のしめくくりのネットワーク会議に参加。また、選出したノーラ・チッポムラと3時間にわたるミーティングを行い、本年の日本でのレジデンス内容など詳細な打ち合わせを行った。
スケジュール・レジデンス内容(月日順)
■2014年5月6日―13日
@セネガル・ダカール近郊Toubab Dialaw:Jant-Bi http://www.jantbi.org/spip.php?article2
「父のような自画像」を滞在制作中のノーラに会いに、プログラム・ディレクターがアフリカに。
最終日の途中経過発表を観て、8月京都でのレジデンス内容の参考とする。
この時のアフリカ日記はこちら → 水野立子著「アフリカ日記」
■2014年6月25日―29日 @京都:京都芸術センター
ノーラが、初来日。8月のレジデンス前に京都にショートスティして行うプログラム。飯名尚人との「熱風」打ち合わせや、自身の作品の舞台演出について、日本人テクニカルスタッフとプランミーティングなどを行う。また、下記のような公開の企画も実施。
■2014年6月27日(金) 18:00~19:30 参加費無料
「日本舞踊の中の男と女のからだ」プレゼンテーション by 余越保子(振付家・ダンサー)
Noraが京都で滞在制作を行う目的のひとつは、自身の作品制作のため女性が男性として踊るからだを探求するため、日本の伝統芸能の精神や手法を学ぶこと。Noraと同じN.Y.をベースに活動している振付家の余越さんは、日本舞踊の研鑽を積み「物語性をベースにした日本の古典芸能を現代へと翻訳、置き換え作業に10年間没頭してきた」という。コンテンポラリーアーティストの視点で、Noraへ行うプレゼンテーションを公開。日本人の振付家・ダンサーにとっても興味深い内容のはず。
■2014年6月29日(日) 14:00から16:00 参加費無料
「NoraとIinaが作品について語る」プレゼンテーション&ミーティング
出演:ノーラ・チッポムラ、飯名尚人
2つの作品の作者であるノーラ・チッポムラさん、飯名尚人さんが、8月に行う滞在制作作品についてのプレゼンテーションを行います。演出家、脚本家、振付家・ダンサ-、役者などの舞台活動を行っている方―是非、ご参加ください!
■2014年8月5日―9月5日 滞在制作@京都:京都芸術センター
作品制作1 「父のような自画像」
昨年の12月ノーラとミーティングした際に、制作にとりかかっている進行形の本作品について、この作品をどのように日本で制作をしていきたいか、という話を聞いた。
「父親」を題材にしながらも、自身の幼少に亡くなった父、ほとんど記憶がない父親の人間像をつくりだすものではない。ノーラは“父親”に対する理想や想像を交える対象として、アフリカの父と呼ばれるマンダラ氏、神としての父、自然や台地の父、など含む包括的な「父」を想定しているとのこと。
女性であるノーラが、異性として男性を演じ、男性の踊る体を掘り下げるため、今回の京都滞在は重要な制作機会となる。能や歌舞伎の女形、日本舞踊の男踊り、舞踏における男性舞踏手の女装など、参考とすべき多くの芸能や芸術がここには現存している。その精神性や技法を学ぶため、伝統芸能の実演家や舞踏家に、直接話を聞き研鑽するためのリサーチを計画している。狂言・能・日本舞踊などの宝庫である京都でレジデンスすることに重きをおいている。
★滞在制作中にノーラが、ダンサーや一般の人を対象としたワークショップを行う。
詳細はこちら
作品制作2 「熱風」日本人アーティストとの共同制作作品
飯名尚人作・演出の舞台作品「熱風」に、ノーラ・チッポムラが振付・ダンスとして参加。日本人アーティストとの共同制作を行う。
「熱風」は、2009年沖縄編(初演)・2011年東京編を上演。題材やキャストに変化を持たせながらも、飯名がライフワークとして取り組む作品。そこに一貫しているものは、どうにも抗うことのできない力や世界と人間との関係を炙り出そうとしているように思える。今回は、写真・映画・音楽・ダンスなど他ジャンルの同時代の作家が参加する。出演者が「熱風」と共に生きるスケール感が濃厚な作品になりそうだ。
本作品で強靭な身体と歴史を持つアフリカ人のダンスを探していた飯名が、ノーラと出会った意味は大きい。二人は6月に京都で初顔合わせとなるが、それ以前に、飯名が主催するDance and Media Japan「国際ダンス映像祭」で、映像作品「Nora」を上映していたなどの縁がある。
■2014年8月22日23日
途中経過発表「父のような自画像」 京都芸術センター 講堂
■2014年8月30日31日
途中経過発表「熱風」 京都芸術センター 講堂・フリースペース
■2014年9月2日―7日
「熱風インスタレーション」 京都芸術センター 講堂
舞台作品の中で使われた平野正樹の写真(祭りの後・キューバ・ホールズ他)、映画、テキストを展示